すこんにちは!つじあけみです。
先日朗読アールラボさんが、NHKニュースに出ていらっしゃったとのことで
お仲間さんからご連絡をいただき、また、やっぱり朗読に触れたい・・というお声も頂戴しました。
私は見逃してしまったのですが、アールラボさんの、いつでも朗読と触れ合える環境を・・・とのコンセプトにも
感銘を受けながら、ずっとご活躍を拝見させていただいています。
さて、やはり、朗読がこうして皆様の心を動かすものである・・・と私も常々感じていて
今は、思うように活動もできないのでstand.fm にて、朗読を配信しております。
本日は、よだかの星
このおはなしは、主人公の「よだか」がみにくい外見ゆえに、いじめを受け、
また、名前を変えろという理不尽なことを迫られ、自分の存在を否定される。
そんな自分も、実は、羽虫やカブトムシを食べることで理不尽に命を奪っている。
そんな自分への存在性へ、嫌悪感を抱き、死のうと決意する。
いわゆる”食物連鎖”という、地球上の全生物が抱えている宿命を、宮沢賢治が
問題として引き受けて描かれたおはなしだといわれています。
私は、この作品を朗読するにあたって、
テーマのひとつになっている、「いじめ」について
考えることになりました。
私は中学のころ、人の命にもかかわる「いじめ」にかかわったことがあります。
30年以上たった今も、そのころのことを思うと胸が締め付けられる気持ちになりますが
やはり、もう過去のこと。記憶はおぼろげで、また、歪曲されていることもあり、
「思い出」という一言で片づけることもできるようになりました。
そんな「思い出」を思い出すおはなしが 宮沢賢治「よだかの星」
「一体、僕は、なぜこんなふうにみんなにいやがられるのだろう。僕の顔は、味噌をつけたようで、口は裂けてるからかなあ。
それだって、僕は今まで、何にも悪いことをしたことがない。赤ん坊のめじろが巣から落ちていた時は、助けて巣へ連れて行ってやった。そしたらめじろは、赤ん坊をまるで盗人からでもとりかえすように僕から引き離したんだなあ。それからひどく僕を笑ったっけ・・・」
「ああ、かぶとむしや、たくさんの羽虫が、毎晩僕に殺される。そしてそのただ一つの僕が今度は鷹に殺される。それがこんなにつらいのだ。
ああ、つらい、つらい。僕はもう虫を食べないで飢えて死のう。いやその前にもう鷹が僕を殺すだろう。いやその前に、僕は遠くの遠くの空の向こうに行ってしまおう」
このよだかの気持ちは、13歳のころの自分の気持ちにとってもよく似ています。
私には子どもが2人いますが、このような気持ちになったことがあるのかどうか、私の見ている限りでは気づいていません。
けれど、何度か想像したことがありました。
もし子供がいじめの被害者・加害者になったとき
私はどんな言葉をかけるだろう??
「いじめるほうにも、いじめられるほうにも、問題があるんだよ」っていうかな。だってそうだもん。
って軽く思っていました。
自分も経験があるのに、こう思っていました。すっかりその時の気持ちを忘れていたのです。
よだかの星 を 声に出して読んで気づきました。
「いったい ぼくは なぜ こんなふうに みんなに いやがられるのだろう????」
本人はわからないんです。
なんでなのか、ぜんぜん、わからないんです。
なのに「あなただって、悪いのよ」って、もし親から言われたらどんな気持ちになるんだろう?
それならまだしも、「いじめられるあなたに問題があるんだよ」って言われたら?
「ふーん、そうなんだ」って思うと思います。だって、そう思うしかないから。
恐ろしいことです。
私は今、自分自身を丸ごと受け入れるための、カウンセリングをはじめました。
クライアントさんから上記のような経験を語ってくださった方もいらっしゃいます。
なにをもって、「あなただって、悪いのよ」だったのか・・・・。
そして、私も、その時が来たら、その言葉を子供たちに 「軽く」かけようと、思ったのはなぜだったのか・・
その答えは、自分のなかにしかありません。
(私は自分で気づいています。自分を守る言葉になるからです。親という立場の自分を。
言う機会がなかったことに、感謝です。)
じゃあどんな言葉をかけたらいいのか?
その答えも人それぞれだと思いますが、
私が、してほしかったことは、
やっぱり、私の話を聞いてほしかったし、そのうえで、私の存在を認めてほしかった。かな?
そんなことを考えさせられた、おはなし 「よだかの星」
みなさんは、どの言葉に、どのシーンに、何を 感じられますか?
私の解釈が、イメージの邪魔をしたらごめんなさい。でも仕方ない(笑)私の解釈とともにお聞きください^^
こちらはよだかの星を読んで感じたこと
https://stand.fm/episodes/5fb8da2cbfd831391c3a3b5b
こちらは↓よだかの星 全文朗読